喫茶店の悪魔

そのままどうでもよくなって、高校に行くのをやめた。お母さんは、まだ高校のこととか言ってたけど、高校なんてもうやめた。

そのまま部屋に閉じ籠ってしばらく泣いたことを覚えている。

そして、やる気もなくバイトを初めて……




「え、それで、高校やめたの?」

「はい。」


―ベランダから降りた私は、天さんとコップに注いだお茶を飲みながら、リビングで座り込んでいる。

天さんはあぐらをかいて私は正座だ。


「ってか澪はなんで高校行かなかったの」と、躊躇なく天さんは私に聞いてきたのだ。

高校行ってないのバレてたんだな。そりゃそうだ。バイトなんてしてるしわかりやすかったろう。

いや別に隠してるつもりはなかったけど。


「高校なんて行きたくないです。どうせ、私は楽しく生きていけないので」

「…そっか。でもそんなことないと思うけど」

「天さんは、高校生活、楽しかったですか。青春というものができたんですか。」


どこか投げやりな気持ちで聞いてみる。

どうせ即答だと思ってたのに、天さんはしばらく何も言わず、どこかぎこちない笑みを浮かべた。


「……はは、わかんない」

「…そう、なんですか?」

「青春、青い春、か。憧れる人多いよなー」

「そうですね。どうも私には無縁です。」

「はは笑える。澪らしいや」


笑ってるけど、ほんとに無縁なのだ。

青春とか意味わかんないし。

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