喫茶店の悪魔
「あの、これはただ、私を助けてくれたお礼なので。別にあなたのためにやったわけではありませんので」
小さく頭を下げる。
「はいはいはいはい、照れなくていいって」
「照れてません。」
私の頭から手を離した。頭洗ってないけど、臭くなかったか少し心配だ。
「でもまだ熱下がってないし治ってないよね?まだ俺は澪のこと、助けれてないけど」
「…確かに、そうですね。」
「だからほら、ちゃんと治して?薬とか食べ物とか買ってきたから」
「えっ…ありがとうございます。」
よし、金髪さんのためにもちゃんと風邪を治そう。クラクラするし、頭も体中もまた痛くなってきた。全然熱は下がってないし、上がってきてる気がする。
ベッドに横になる。
でも、沢山寝ちゃったから寝れないな…
目だけ瞑っておこう。瞑っておいても、寝たことにはなる気がする。体を休めれるし。
トイレの流す音や手を洗う音、ハックショオーンという大きなくしゃみに思わず驚く。
ドタバタしてたのに、急にシーンと静かになった。
何をしているんだろう。ちらりと、綺麗になったテーブルの方を見てみる。
あっ…あれって…
また、あの小さな白いノート。
そこに何かを書いている。見ている。