喫茶店の悪魔
「別に嘘ついてもいいけどさ、」
「もうその話、いいです。私の心がグサグサ刺されてる感覚して吐き気がします。」
「はぁなにそれ?22の大人の俺が語ったってんのに」
「そうですね。……はは」
なんか笑えてちゃった。
もうやだ。金髪さんなんかにこんなに色んなこと言われちゃって、悔しくてたまんない。
意味のわからない笑いを溢してしまった。
視線を感じたので隣を見ると、じっと私を見つめていたことに気がつく。
それは、私が見た、あの喫茶店での目と同じ目だ。元カノさんの写真があるという白いノートに落としていた目線と同じ目。
優しそうでどこか寂しそうで……愛おしそうで。
「なに、見てるんですか。」
「俺のマネしただろ」
「はいしました。」
「笑ってよ。もっかい見たいから」
何言ってんのこの人。意味わかんない。
「嫌です。」
「お願い」
「嫌です。私、笑顔気持ち悪いし似合いませんから」
「笑顔似合わない人なんかいないっつーのバカが」
その時おでこに痛みが走る。
「痛っ…デコピン…?」
「バカだなぁって今時の高校生は。俺達の世代の方がよっぽど賢いし笑顔似合わないとか言ってる人いねぇーし」
私は高校なんて行ってないけどな。それは、探られるのとか嫌だし内緒にしとこう。