喫茶店の悪魔


「ありがとうございました。」

「ん?なんで」

「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ大人のあなたから勉強になることがありました。 確かに心の中は、バレることもありますね。当たり前でした。私は何を言ってるんでしょう。」

「ぷっはははっ。笑えるわほんと。どこまで真面目天然ちゃんなの」

「……天然?」


天然?天然石?天然水?天然ガス?天然温泉?

天然って、ドジとか行動が抜けてる人のこと、なんだよな…え、私が天然?どこが…

人に言われたことがなさすぎて衝撃が……



「天然。澪は面白いな」

「……私が、そうですか。」

「あ、もう10時すぎ。早く寝たら」

「……そっちが話かけてきたくせに」

「ん、なーんか言った?」


絶対聞こえてたな。まあ、そんなことはいいか。


ベッドに横になって目を瞑る。

明日なんて、来なくてもいい。帰りたくない。ずっと、ここにいたいと思った。





「んっ……眩し…」


目を開けると、視界いっぱいにどこからか差す眩しい光に包まれる。

そんな光の中に、金髪の男の人はいた。

どうやらベッドの上のほうにスイッチがあって、部屋の電気を付けたらしい。眩しい光の正体はベランダからの朝陽だった。
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