喫茶店の悪魔
「あの、どうしましょう。お金は昔からバイトして貯めてたんですけど。どうやってこれから生きていけばいいんですか?何年間も貯めてきたものだし、多くはないんですけど少なくはないと、思い、ます。」
「はぁー」
部屋を借りるのも、衣食住これからどこに住むとか何も考えずに飛び出してきてしまった。
真面目な顔で、赤の他人にこんな事を聞いてしまっている自分が本当にバカらしく感じる。本当に本当に、私は情けない。
くたっと肩を落としたように大きなため息を吐き捨てて、金髪さんは一歩私に歩み寄る。
「んじゃーあ」
「はい…?」
なんて言われるんだろう。普通に部屋を借りる方法を大人らしく教えてくれるのだろう、か――
「俺と住むか」
「……は?」
「え?だから俺ん家来たらいいじゃん」
「は、はぁぁ!?な、なななななんでそうなるんですか!?」
「いや声でか。過去いち驚いてんじゃん」
「過去いちとか決めないで下さい。」
でも、確かにどうしましょうなんて金髪さんに言ったらそうなるのか?そう言われるのか………?絶対、絶対に聞く人間違えた…
「あれ、澪?照れてんの」
覗き込むように私を見つめてくる。