星愛空~届かなかった手紙~
…私はゆっくりと後ろを振り返った。
「……え…っと…。」
「泣いてるけど。」
若い男の人が立っていた。
何歳くらいだろうか…。
二十歳くらいの爽やかな男性。
「あ…はい…。」
私は顔を触るフリをして大粒の涙を拭った。
「俺でよければ話聞くよ…!?」
「え・・・」
そう言って
私に青いハンカチを差し出した。
私は一礼してから
ハンカチを持ったまま考えた。
――――――どうしよう―――。
ホストに行くのは明後日…。
まだ、
チャンスは明日も…ある。
今は…。
今はこの人に話を聞いてもらいたい。
不安なことだらけだから。
「いい…ですよ。」
私は下を向いたまま…答えた…。
でも…
私の判断は…間違ってたんだ…。
そう気づいた時には手遅れだった。