星愛空~届かなかった手紙~
…………………薬が…何?
サザーンサザーン…
波の音が二人の会話を遮る。
「俺…もしかしたら死ぬかもしれない…俺…」
要君は手で隠しながら涙を何度も何度も流す。
頬を伝って落ちる涙は
寂しくて、悲しくて。
まるで私の心の中を表しているようだった。
要君の言葉ー…
“ 死 ”
「死ぬわけないじゃんか!!!」
私の心で我慢していたものが
はじけ出した。
「要君元気じゃん!!元気じゃんかツ!!!」
私は何が何か分からなくなるほど
ヒステリックに叫んだ。
…だっておかしよ?
要君、今
しゃべってるよ
泣いてるよ
呼吸してるよ