星愛空~届かなかった手紙~
「華波ちゃーーんー!!!!!!!
華波ちゃーーん華波ちゃーーん華波ぃ~~!!!」
遠くから要君が私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「…………。」
雨の中、私は決意した。
「~~~!!華波ちゃんッ!!
オイ!ずっと帰ってこなかったから
道に迷ってないか心配したんだぞ~~!!!!」
要君は私の前にしゃがむ。
「……うっ…ッ…」
そして私は声を上げて泣いてしまった。
ーHIVってだけで…どうしていじめにあうの?!…
そんなに汚いの……?!
私のことだけならまだいいよ。
………頑張るもん。………頑張れるもん。
…………でも要君のことまで
言ってほしくない。
要君は毎日必死に必死に生きてるんだから…!!
私よりも・・・何倍も・・・何倍も。
「大丈夫か?!……」
ーーーーーーーギュッ
要君は雨に濡れながら私を抱きしめた。