星愛空~届かなかった手紙~
私は熱くなる胸を抑えてただ、
白い廊下を眺めた。
「沙浦さ~ん」
看護婦さんに名前を呼ばれてふと我にかえった。
「……はいッ!!」
私はカバンを持って看護婦さんについていった。
ーーーガラガラガラッ
「失礼しま…す…。」
足は緊張ですごく震えていた。
手も何も掴めないくらいにーー…………。
「どうぞ、」
私は後ろの椅子にゆっくりと腰かけた。
「最近はどう……?!?」
ーーー最近って…
色々ありすぎてー…。
「色々ありすぎて…あんまり覚えてません。」
…こんなこと普通に言っていいのかな。
安静にしておかないといけないのにねー…。
「…そうですか。
沙浦さん。この記号分かる?!」
女医の先生は薄っぺらい一枚の紙を渡してきた。
「……+……?!?!」
「そう。+。」