星愛空~届かなかった手紙~
そしてただ、ぼーっとしながらドアに寄りかかっていた。
「………………。」
あぁ。
こんなにもふつうなのに・・・。
なんで
どうして・・。
私は目線を下に下ろしたとき、ある物を見つけた。
「……………………コンパス……」
ーーーーーコンパスー…。
あの針で…
その針で…
この針で…………………。
手が震える。
顔が青ざめていく。
そして私の手は上へ上へと伸びた。
…死にたい…。
私…死にたいよー…。
私は机のペン立てからコンパスをとった。
命を大切にしない人ってー…
すごくすんごく最低だと思う。
ーーーーでも、でもねー…。
私はコンパスを右手に握って手首にあてた。