星愛空~届かなかった手紙~
新しい空。
「華波~朝よ~」
眩しく綺麗な光。
雲一つない空。
風が私をあおいでる。
私はもう一人じゃない。
毎日お母さんも笑顔で見送ってくれる。
病気のほうはー…そこまで酷くないみたい。
私にはピッタリあう薬があって…。
普通に元気に過ごせてる。
ーーーーーでもいつかは…。
ーーーーガラガラッ…
相変わらず、クスクスと笑ったり、
軽蔑の眼差しで見てくる嫌みったらしい人もいる。
でもー…私は新しい自分に出会うの。
「…みんな…聞いて。」
私は教室のドアの前でみんなに呼びかけた。
「私…、明後日の土日に…
関西に引っ越しするのーー………。」
ーーーそう。
お母さんにすべてを話した夜のことだった。
「……そんなつらいことがあったのね……」
「私、もうあの学校に居られないの…」
「華な…」
「ワガママって分かってる!!!……
…………でもねー…私…」
「…でも…病院は…??」
「私…この県を出たい。
それで自分の力だけで生きたい。
…が、学校は寮のついてる学校にするしっ、
行きつけの病院だって決めておくしっ、
それに、…」
「…………それに?」
「新しい自分になりたい。」