星愛空~届かなかった手紙~
おばさんが部屋を出て行った瞬間、
私は畳に寝転がった。
ただ、何も考えずにー…。
部屋は畳の臭いがした。
「ふぅっ~~」
私がため息をついたその時…。
「なにため息ついとるん?!~」
「わッ…………と。汐菜ちゃん!!!」
藤井 汐菜ちゃん。
お母さんのほうのいとこで、私よりも
2つ上の高校三年生。
私よりも頭がよくてー…、
大人ぽくて、たまに見せる笑顔が胸を突き刺さすような綺麗な顔立ち。
そしてそれに不似合いな関西弁はもっと意外な魅力を引き出すのだった。
「華波ちゃん本間久しぶっりやなぁ~!!」
「……本当だよねッ!!」
「………………………どないしたん??」
汐菜ちゃんは私の顔を覗き込んだ。
「''どうしたん''って何が~?!」
「……なんかめっちゃ無理してるなぁ~」
私はボストンバックの中身を整理して立ち上がった。