星愛空~届かなかった手紙~
後悔だけは。
汐菜ちゃんは星を見ながら言った。
「………ん~何?」
私も星を見ながら言った。
「ウチ…
めちゃくちゃ…、昔、悩んでたんよねー…。」
汐菜ちゃんは星空から視線を落として言った。
「小学生の時、
両思いやった男の子おってん。
ウチより小さくて…体も弱かってさー…。
…でもなー…その子…ウチが中二のときウチに一言も声かけずに引っ越してもぉてん。
ウチめっちゃ悲しかったんや。
…でなぁ…高校一年生の春。その子…
肺炎で死んでしまってんてー…。」
汐菜ちゃんは星を見ながら涙を流していた。
…かすかな星の光に照らされて…。
汐菜ちゃんの涙は光ってみえた。
「でー…後から聞いたんやけどー…。
引っ越したのはおっきな総合病院に行くためやってんてー……ッ本間アホやろ~…ッ」
笑って我慢していた汐菜ちゃんの涙は正直なほど流れていった。