星愛空~届かなかった手紙~
「ぁ、ええよ。」
汐菜ちゃんは立ち上がって言った。
「…えッ?!?」
「ウチやて神戸行ってみたいしッ
港とかオシャレなんやろなぁ~!!」
汐菜ちゃんの勢いに負けて私達は、
いや、私は汐菜ちゃんに送ってもらうことにした。
長い電車の中、汐菜ちゃんはふと口を開いた。
「なぁー…。
もしも、華波ちゃんにどうしても忘れられへん人おったらどうする?!……」
微かに聞こえた声ー…。
けれど私は聞こえなかったフリをした。
正直ー…。
私答えられなかった。
ーーー忘れられない人。
どうするーーーーーー。
私の心の中で何回もフラッシュバックした。