星愛空~届かなかった手紙~
「あ、うん…いいよ………!!」
感じのよさそうな女の子だった。
「立てるかぁ~」
横にいた男の子は私に手を差し出してきた。
………私は自分の力で立って制服についたチョークの粉をはたいた。
「お前らはーー
イタズラばっかしてんなぁ!
さ、席つけ席ーーーーーーーー」
私の後ろから先生が教室に入ってきた。
そして先生に微笑まれた私は黒板の前に立って自己紹介を始めた。
「えっえと…関東から来ましたッ!!
沙浦 華波です。よろしくお願いします……」
さっきの出来事で少しふくれっつらな私。
ーーだって初日だよ…!!
「じゃ、沙浦は西原の後ろな。
丁度あいてるし…そこは一番勉強しやすいぞ!」
先生とみんなは私が来るのを待っていたかのように満開の笑顔で見つめてくる。
…それとも…私、そんな変な顔してんのかな…?