星愛空~届かなかった手紙~
ーーーーーギュッ
「お前のことがー…好きやからーー…ッ!!」
気がつくと雄樹は間近にいた。
いや、間近どころか、私を抱きしめていた。
私はただ、抱きしめられ、空を見上げる。
「何それ…。」
そしてそうつぶやいた。
「俺やったらあかん?」
「………………………………。」
私、どうしたらいいの?
一番に浮かんだのは要君ー…。
ねぇー…私のこと覚えてる?
私さぁーー…新しい恋。してみてもいい?
要君と別れたあの日。
二人はまだ両思いだった。
……そして、私ずっとずっと好きだった。
でもねーー…
もう、こうして恋に臆病になりたくないんだー…。
だから私は、楽な道をとりますー…。
「いいよー…
付き合う。ー…
私、付き合う。雄樹とー…付き合うよ。」
私も力強く雄樹を抱きしめた。
ねぇー…神様、楽になることはいけないことですかー?
でもねー…私の人生。
私の好きにさせてください。