星愛空~届かなかった手紙~



「どうしたん?いきなり泣くなや~」

雄樹は自分の肩に私の肩を抱き寄せて言った。

……ねぇ…なんでこんな時に要君のこと思い出しちゃうの?……

ねぇ……私、雄樹の彼女でしょ?!
私、ちゃんと好きになってるでしょ?!…

要君の顔忘れてたのにー…
こんな時、ジワジワ浮かんでくるなんておかしいよ。

ねぇ……

「ッ………………うっ」

私の涙の速度はドンドンと速くなっていく。

「本間大丈夫なんか?」

雄樹の顔が涙で滲んで見える。

「………して……」
震える私の声は部屋中に響く。

「……え?!」

雄樹は再び私を支え、私を見つめた。

「キ…ス……して……」

私はぼんやりと天井を見る……。

「キスして」

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