星愛空~届かなかった手紙~
ジャーーー………
シャワーの音がバスルームに響く。
私はぼんやりと天井だけを見上げていた。
ホテル…………
高校生同士で来たりしていいのかなぁ…。
早く寮に帰りたい……。
本当に雄樹は私のこと見捨てないの?
本当に?
本当に?
本当の本当に?
私がー…、
私がHIVに感染してるって言っても……?
ねぇー…こんな私とでも
≪一緒に生きよう。≫って言ってくれるの?
いつ倒れるか分からない。
いつ命が尽きるのかも分からない。
こんな私でもー…
こんな私でも本当にいいの………?!
汚れてるんだよ?
汚いんだよ?
本当に雄樹がそう言うのなら私に怖いものなんて一つもないよー…。
私は雄樹のことー…
愛してるから。
ーーーーーキュッ
シャワーの蛇口を閉めた瞬間
一気に虚しさと悲しみが溢れてくる。