星愛空~届かなかった手紙~
…………え
……関わるなって……?!
違う私の聞きま違いだよ……!!
「……なんて言ったん?」
震える唇をおさえながら恐る恐る聞いた。
「そんな奴俺の彼女でもなんでもないんや!!
HIVってお前なにか分かっとんか………!!!
…………なんでそんな状態のまま俺と付き合ってん。………
もう俺に近づくな……………………」
そう言って雄樹は服を整えて、
財布を手に取り、五千円取り出し私に投げつけた。
ーーーーバサッ
五千円札は音をたて、床に落ちた。
「…ホテル代。
…………じゃあな………。」
ーーー聞きま違いなんかじゃなかった。
雄樹はもう私のこと好きじゃないの?
そんだけのことで私達終わっちゃうの?
私は雄樹との毎日をそんな風に思ったことなんて一度もなかったんだよー…。
雄樹は嫌だったのー…?
「待ってぇ……っ!!っうっ待ってぇよ…っ」
私は涙でぐちゃぐちゃになりながら雄樹を追いかけて雄樹のジャンバーを掴んだ。
ーもう手放したくない。
ーもう誰も手放すことなんてできないー…。
「俺はお前を介護するほど優しい人間じゃねぇー…」
ーーーーーーーバタンッ
そう言って雄樹は部屋を出た。