星愛空~届かなかった手紙~
……校舎。
……屋外プール。
……グラウンド。
そう考えているとチャイムがなった。
キーンコーンカーンコーン。
時間はまだ12時。
でもいつもこの時間になったら瀬玲奈は購買に行くために学校の門まで来ていた。
私もよく一緒にパンを買ったのを覚えている。
しばらくすると校舎から生徒が出てきた。
「せ………れな?」
私は眉間にしわを寄せた。
だんだんとこっちへ歩いてくる。
髪の毛が黒じゃない。
それだけで瀬玲奈ではないことを確信した。
瀬玲奈はよく黒が好きだと言っていた。
だから絶対瀬玲奈ではない。
校門の前に立っていると
何か言われそうだから私は後ろをむいた。