星愛空~届かなかった手紙~

足音は少しずつこちらに近づいてくるー…。

そして門の前でピタリととまった。

その時ー…

「か……なみ…………?」

聞き覚えのある声が脳をよぎるー…。

私は恐る恐る振り向いた。

「織香…!!!???」

二年前よりすこし控え目な感じに変身した
織香に驚きを隠せなかった。

「なんで?」
「あ…里帰りしてるの!」

私は焦って言った。
こんな所に立っていたらまた笑われるだろう。

「ごめんなさい!……………」
「織香………?!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

織香はいきなり
涙を流しながら私の目の前で土下座した。

「本当に、本当に………
かな…みを追い込んでしまってて………」

織香は頭を地面につけてなかなか顔を上げない。
「織香っ…ここ汚いよ…顔上げて!」
「はじめはね…HIVって何か知らなかったの」

織香はドンドン話しはじめる。


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