星愛空~届かなかった手紙~

だんだんと奥の部屋まで行くー…。
私もドンドンついていくー…。

それは要君がいるんじゃないかって
心の奥で期待してたからー…。

お医者さんはガラスばりの個室に入った。
私もその後をつけて見に行くことにした。

「要君ー…?」

私の口から出た言葉ー…。

ホスピスのような部屋に入れられ、
たくさんの線でつながれている男の人。

「要君にー…似てるよー…?」

私はガラスにむかってつぶやいた。

自分自身が何がしたいのか分からない。

でも体が要君とー…ただ、伝えている。

要君はこんな部屋でかくりされるわけないのにね。
まだまだ元気なのにね。

それでも私の口はどんどん動く。

「要君ー…要君?要君っ?」

確かにたくさんの線で繋がれていて、
お医者さんにたくさんの注射をうたれて、
ぐったりとして、
今にも命が尽きそうな
男の人は要君とそっくりだったー…。



< 345 / 418 >

この作品をシェア

pagetop