星愛空~届かなかった手紙~
だんだんと奥の部屋まで行くー…。
私もドンドンついていくー…。
それは要君がいるんじゃないかって
心の奥で期待してたからー…。
お医者さんはガラスばりの個室に入った。
私もその後をつけて見に行くことにした。
「要君ー…?」
私の口から出た言葉ー…。
ホスピスのような部屋に入れられ、
たくさんの線でつながれている男の人。
「要君にー…似てるよー…?」
私はガラスにむかってつぶやいた。
自分自身が何がしたいのか分からない。
でも体が要君とー…ただ、伝えている。
要君はこんな部屋でかくりされるわけないのにね。
まだまだ元気なのにね。
それでも私の口はどんどん動く。
「要君ー…要君?要君っ?」
確かにたくさんの線で繋がれていて、
お医者さんにたくさんの注射をうたれて、
ぐったりとして、
今にも命が尽きそうな
男の人は要君とそっくりだったー…。