星愛空~届かなかった手紙~

「要君ー…」

私は手をガラスにひっつけた。

この手で。
この手でもう一度あなたを触りたい。

「ねぇ……要君ー…」

この声でー…この声で
もう一度好きって言いたいー…。

「ねぇってば………!!っううっ」

私は両手でガラスを叩いた。

もっとこのガラスを叩けば、要君は振り向いてくれるかもしれない。
もっと要君って呼んだら「バカだなっ」って微笑んでくれるかもしれない。

もっと泣き叫べば、
「華波ちゃん泣くなぁ~」って頭を撫でてくれるかも知れない。

だから呼ぶよ。
私、たくさん要君って呼ぶから返事してよ。

ねぇー…。

「ねぇっ……ねぇっ!
要君っー…ねぇ…聞こえてるんでしょっ?」

私は再びガラスを叩く。



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