星愛空~届かなかった手紙~

バンバンバンッ
バンバンバンバンッッ

一階には私がガラスを叩く音が響く。

しばらくすると看護婦さん達が私を止めにきた。
と微かに看護婦さんの声が聞こえる。
「やめなさいっやめなさいっ」

ーでもそんなの聞いてる暇なんてないよー…?

だってもうすぐ要君が久しぶりだなって言ってくれるもん。あと少し、あと少し、もう少し。

「ねぇ要君っねぇ京平ッ!!」

私は叩いていた手をはなした。

「もう私の声に振り向いてくれないの?」

私は静かに床に座り込んだ。

「もうだめなの?……ッ」

声が震える。
力が入らない。
涙が流れる。

大好きなのに。
大好きだけど。

大好きだから笑ってほしい。





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