星愛空~届かなかった手紙~
ーーーーーガチャッ
「ただいま…………」
泣いていたことがバレないか。
玄関の鏡でチェックした。
「…………おっけい………………」
「華波遅かったわねー…。
心配したわよ。で、どうだったのー…。」
お母さんは食卓の椅子に座った。
「あぁ、何ともなかったよ。
走りすぎやストレスだってさ。」
私は無理に笑っている。
お母さんはそれに気づくだろうか。
「目、赤くない?」
お母さんは
椅子から立ち上がる私を引き止めた。
「なんでもないよ~」
私は再び歩く。
「本当は発症してたんじゃあないの?」
ーーー違うよお母さん。
私は元気。
私の元気をわけてあげたいくらいー…。