星愛空~届かなかった手紙~
「ねぇどうなの?」
お母さんは私に何回も問いかけてくる。
「なんも…ない…ってば……」
ヤバい。
涙腺がゆるんできた。
「なにかあるでしょー…。」
お母さんはドンドン問い詰めてくる。
ーーーもう嘘はつけないーーーー
「好きなの。」
「え?」
「私にー…っ…HIVをうつした…
人のことっ…好きなのー………………!!!」
私は大声で叫んだ。
好きなの。
大好きなの。
誰にどう、なんと言われても。
好きなの。
大好きなの。
「華波っ………」
「最初は嫌いだった。
でも私は好きになっちゃったの!
…………心から好きになったのー…!」
私は、更に大声で泣き叫ぶ。
お母さん。
こんな私は変だと思う?
恨むべき人を愛しく思うこと。
憎むべき人に恋をすることー…。