星愛空~届かなかった手紙~

「華波はー…
本当にその人を愛してる?」
「愛してるよっ」
「もしもその人が別の人を好きになっても?」
「……うん!!」
「もうあんたのこと嫌いって言っても?」
「うん!!…………
一回でも私のこと愛してくれていたのなら。」

お母さんは黙り込んだ。
何かを考えているのだろうか。

「だから私はしばらく関東にいたい。」

涙は頬を伝って床にぽたぽたと落ちる。
その度に私はまたなにかを負っていく気がした。

でも私は負けない。
もう逃げない。

「私、その人とずっとー…
ずっと一緒にいたい。」

だって要君が言ってたもん。

“ずっと一緒にいよう”

ーーーーーって。

私、覚えてるよ。
まだ覚えてるよ。


「………頑張りなさい。」
ーーーギュッ
お母さんは私を抱きしめた。

ーーーーありがとう。
お母さん。
私の気持ち分かってくれてー…。

ありがとう。
< 361 / 418 >

この作品をシェア

pagetop