星愛空~届かなかった手紙~
…ここで要君はご飯を食べて、
ここで寝て、
ここで泣いてー…
ここで笑ってー…。
私の知らない時間を過ごしてたんだねー…。
どんなに後悔しても、もう戻ってこないことくらい。
私のこの手の平では
掴めないことくらいー…分かってる。
分かってるのにー…
やっぱり涙は止まらないんだー…。
私は要君の使っていたベッドに座った。
まだ少し、要君のぬくもりを感じる。
ーーーーガサッ
私の足元で何かがこすれる音がした。
「………なにこれ。」
私は足で踏んでいた紙を拾った。
「あーー………………」
私はその紙を見てー…言葉が出なかったー…。
落ちていたのは
二年前、
私達がゲームセンターで撮ったプリクラ。
「…笑ってる。」
私達。
笑顔で笑ってる。
あ、要君半目になってるし!!
…………………………懐かしい。
ヤバい。
また好きがあふれる。
好き。好き。好き。好き。
溢れるばかり。
この頃は楽しかったなぁ。
笑顔で笑ってるなぁ。
自分のことなのに
この頃の私達が羨ましくなった。
「バカみたいに笑ってる………っ」
要君ー…本当はこの頃
不安でいっぱいだったんじゃないの?
「笑ってるっ………」
私も、要君も。
「笑って………るっ………うっ」