星愛空~届かなかった手紙~
私は看護婦さんの後ろをついていき、
要君の部屋に入った。
「………要君ー…」
現実を知る度に胸が痛むー…。
この心を何に例えたらいいのかすら分からない。
ただ、静かに眠る要君を見るだけ。
「要君いっつも笑だったから、
こんなにも苦しんでるなんて…
気づかなかったよ……………。
今まで頑張ってたんだよね…。」
私、また泣いちゃった。
要君は笑顔だったのにー…。
私が泣いちゃだめだよ。
「まだ死なないでよっ……!!!」
ーーーーーーガシッ
私は目を閉じたままの要君に抱きついた。
「まだ……私を一人にしないでっ」
私は泣き叫ぶ。
そして後ろでうっすらと涙を流す看護婦さん。
「私っ強くなるからっ」
要君ーー。
私もっもーっと頑張るからー…
「それまでっ……私を一人にしないでよっ!!」
私の涙は要君の
頬。首。おでこ。全ての場所におちていく。
「目ぇあけてーよ……っ!!ねぇっねぇっ!!!」
私は要君の唇にそっとキスをした。
そして涙を流しながら何度も何度もー…。