星愛空~届かなかった手紙~
たどりついたところはー…。
“もしもし…大地兄ちゃん?
………………今、お店の前にいるんだけど…”
ーーーーホストクラブーーー
“今、抜け出せそうだから行く!”
“うん、ありがと…。”
しばらくして大地兄ちゃんが店から出てきた。
「どした?あ、スーツ姿恥ずかしいから
はやくしろよな!!!!」
「ねぇ大地兄ちゃんーー?」
止められない…。
「あのさぁ…」
誰か私の口を止めてー…。
「HIVってどんな病気か知ってる?」
何かが、崩れおちるようにー…。
「私ねー…。」
止まって!!止まってよ!!!!
「H...IVにかかっちやったんだ…。」
気がつけば私の目から大量の涙が流れていた。
この涙に意味があるのなら…。
私は…これからどうして生きればいいんだろう
「HIVって…嘘つくならもっと有名な病気に
したら?あ、癌とかー…肺炎とかー…」
「嘘じゃないよ…。多分。
………………嘘っていうなら…嘘にしてよ。」
自分でわかってた…。
嘘なんかじゃない。
現実逃避はしたくなかった…。
これが、現実だからーー…。
これが現実って…わかってたから。