星愛空~届かなかった手紙~
『Ⅸ : エピローグ』
要君のお葬式が終わってすぐ、
私は神戸に帰ることになった。
少し馴染んでいた関西弁は、関東に来たことで、すっかり消えてしまっていた。
まるで、
何かをドンドン手放してしまうようにーー…。
寮に帰ると、
みんな暖かい目で迎えてくれた。
ーーでもそれはなにも知らないから。
そして私はみんなに、自分の病気、
HIVに感染していることを言うことにした。
見放されたっていい。
私は他の人から見れば、
ーーーーー汚れた人間ーーーー
だから。
でもどこか心の奥で期待していた。
受け入れてもらえることをー…。
「葵衣、圭人君、ニッシー、智咲、……
……あのね…聞いてほしいことがあるの。」
「どーしたん?」
「どうしたんや?」
真剣な私を心配してみんな口々に言った。
「ー…聞いて驚くのはー…いいけど……
見放すのも……
いいけど、バカにしなで聞いてくれる?」
「うん」
私は少しの躊躇の後、話し始めた。