星愛空~届かなかった手紙~
「………………え?!」
ーーー織香の動きが止まった。
いつの間にか教室中は静まりかえっていた。
…シーン……
って言葉が当てはまるくらいにー……。
「HIVって華波ー…何したの?!」
織香が震えた声で私に問いかけた。
「ーーーーウリ。」
あっさりと出た言葉
ーーーーーーーーウリーーーーー。
「えっ、まじかよ!!」
「あの子が?!」
「信じらんないーーー!!」
教室やろうか、周りから聞こえくる声で
騒がしくなった。
「華波…?!嘘でしょ…HIVって…」
「本当だよ。」
どんどん賑わっていく教室。
HIVの事実を今まで深く受け止めていなかった。
すぐ治る。そう思っていたんだ…。
「華波…ゴメン私ー…ッ」
椅子からたち上がった織香の腕を
掴んで引き止めた。
「違うよ!!ま、まだ決まったわけじゃないの!!
……再検査また受けるし…!!」
何もかもがー…。
一瞬にして崩れていくー…。