星愛空~届かなかった手紙~
「大地君、わたしのこともう嫌いなの?!
何年間も待つとか言っておいて!!」
「違うって葉り…んッ」
ーーーーーーーキス…。
「大地兄ちゃん…と女の人…キス…。」
初めて見た生キスに私は言葉を失った。
「大地…君ッ…」
女の人は大地兄ちゃんの背中に手を回した。
ーーーーーーーーやめて。
私の大地兄ちゃん。
私だけの大地兄ちゃんなのに・・・。
「葉り…やめ…んッ」
女の人は大地兄ちゃんにキスした後、
大地兄ちゃんに静かに耳打ちしていたー…。
ーーーなんて言ってるんだろ…。
そこから二人の会話は全く聞こえなくなった。
「大地君ー…わたしを裏切ったら
仕打ちは半端じゃないから。」
「……………。」
私、大地兄ちゃんは
私だけのものだと思ってた。
でも大地兄ちゃんは私のこと
ただの妹としか思ってなくてー…。
幼なじみとしか、考えてなくてー…。
あまりの残酷さに涙一つこぼれなかった。
そして私はまた一人になったんだー…。
今度はどこへいけばいいの?!
行く場所がない。
私の居場所がないー…。
家も会話一つなくてー…
お母さんも浮気してる。
そしてきっとお父さんも浮気している。
学校もみんなの冷たい視線だけを
浴びながら、
一人で、一人で何もかもしなければならない。