星愛空~届かなかった手紙~


「大地君、わたしのこともう嫌いなの?!
何年間も待つとか言っておいて!!」
「違うって葉り…んッ」


ーーーーーーーキス…。



「大地兄ちゃん…と女の人…キス…。」

初めて見た生キスに私は言葉を失った。

「大地…君ッ…」

女の人は大地兄ちゃんの背中に手を回した。

ーーーーーーーーやめて。

私の大地兄ちゃん。
私だけの大地兄ちゃんなのに・・・。





「葉り…やめ…んッ」

女の人は大地兄ちゃんにキスした後、
大地兄ちゃんに静かに耳打ちしていたー…。

ーーーなんて言ってるんだろ…。

そこから二人の会話は全く聞こえなくなった。

「大地君ー…わたしを裏切ったら
仕打ちは半端じゃないから。」

「……………。」


私、大地兄ちゃんは
私だけのものだと思ってた。

でも大地兄ちゃんは私のこと
ただの妹としか思ってなくてー…。

幼なじみとしか、考えてなくてー…。

あまりの残酷さに涙一つこぼれなかった。


そして私はまた一人になったんだー…。

今度はどこへいけばいいの?!

行く場所がない。

私の居場所がないー…。

家も会話一つなくてー…
お母さんも浮気してる。
そしてきっとお父さんも浮気している。

学校もみんなの冷たい視線だけを
浴びながら、
一人で、一人で何もかもしなければならない。





< 61 / 418 >

この作品をシェア

pagetop