星愛空~届かなかった手紙~
「あれ?!……
華波?!こんなとこで何泣いてんの?!」
偶然、瀬玲奈が渡り廊下を通った。
「………。」
「失恋でもしたか~?!」
「………。」
私は何も言うことなんかできなかった。
「う~ん・・・ま、テンション上げてッ!!とにかく教室まで行こっ」
そして瀬玲奈は私の手を引いて歩き始めた。
「……ねぇ…」
私はしばらくしてから口を開いた。
「ん~?」
瀬玲奈は眠たそうに言った。
ーーーーーー瀬玲奈はまだ、私の
病気のことを知らないー…。
知らないんだー…。