Fortunate Link―ツキの守り手―
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窓の外の暗闇に火炎の花が咲き、窓を少し揺らした。
「ありゃま…。
随分、派手なのを用意したなぁ」
黒のスーツを少しラフに着崩したオレンジ色の髪をした男が、外を眺めながら感心するように呟いた。
その部屋に居たのは、少し前にシュンとアカツキが目にした、あの黒スーツ姿の二人組だった。
「…おっかねぇ。
危うく俺達もあの爆弾の塵となって海の藻屑になるとこやったやんか…」
オレンジ頭の関西弁男はふぅと溜め息を吐きながら呟く。
「………」
部屋の中央に佇む黒スーツの男は何も答えない。
しかし、オレンジ頭の男は気にせず、その男の方を見て問い掛けた。
「…なぁ。翆(スイ)。
お前、どう思う?」
問い掛けられ、今まで沈黙していた男はやっと顔を上げた。
「…今のって、彼女の幸運が働いたせいなんやろうか。
それとも…」
にっと楽しげに笑う。
「――彼の方が目覚めてしまったせいなんやろか?」
「………ふん」
彼は鼻を鳴らし、関西弁の男の方、ではなく、その向こうにある窓の外を見た。
険しい眼差しは、空よりも暗い海を捉えていた。
「……目覚めたか。……彼が」
誰にともなく呟く。
その言葉には、望まない現実を口にするような嫌悪感が滲んでいた。
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☆::::第5話へ続く:::::☆