Fortunate Link―ツキの守り手―
「やっぱり月村さんに対抗できるのはシュンしか居ないでしょう」
「本気で言ってんのか?奴に対抗できうる人間が居ると本気で思ってんのか?」
「頑張ってね!シュン」
さらりと受け流され、コートの方へと背中を押し出される。
コート内では、ヌンチャク愛好何とかという集団はヌンチャクを振り回して気合いを入れており、
野鳥何とかの方は「あっ会長!あそこにムクドリのつがいが!」とか云いながら、皆一様に双眼鏡を覗いていたり、手元をカチカチ言わせながら何やら計測している奴まで居る。
…何だか心底どちらとも絡みたくないんですけど。
「で、俺はどっちのチームに入ればいいんだ?」
もう腹をくくるしかないと思った俺は白石さんに問い掛けた。
「シュンはね、ヌンチャク愛好家・友の会のほうよ」
「あっそ」
もうこの際どっちだっていい。
しかしまだ体育会系の方であるのが救いか。
ネーミングセンスは抜群に悪いけど。
「それでは、今回のドッジボール対決のルールを説明します!」
白石さんが説明を始める。
ルールは多分、普通のドッジボールとほぼ一緒。
といってもドッジボールの公式ルールなんて知らないけど。
違うのは使用するボールが3つ。
制限時間は15分。
デスマッチではないらしい事にちょっと安堵。
そして、それぞれのチームに一人ずつリーダーを決める。
リーダーがやられてしまったらその地点でゲームオーバー。勝敗は着いてしまうらしい。