Fortunate Link―ツキの守り手―


「…で、リーダーって誰?」

長々とルール説明を行っていた白石さんに尋ねると、

「月村さんとシュンです」

さらりとそう答えてきた。

「…なぬっっ?!」

そりゃあ、おかしいだろ。
普通、こういうのは同好会の会長さんがやるべきだろう。

そう訴えると、

「こういうことは公平な立場の人間がやるべきなのです」

と喜色満面で独断と偏見に満ちた答を返してきた。

というかその笑顔を見る限り、お前が楽しみたいだけだろうと言ってやりたかったが、既に両チームとも盛り上がっていて、


「リーダー!我々が死力を尽くして守るのでお任せあれ!」

と全員が一丸となって鴇の声を上げ、ヌンチャクをブンブン振り回していたりしている。

が、全然頼もしくない。

ここが街中であれば警察に捕まりそうな連中だな、むしろ捕まれと思う。


相手チームはと見てみれば、

「敵チームのリーダーは私がぶっ潰すから、てめぇらは手出しするな」

アカツキの物騒な発言が聞こえてくる。


(…どうしよう。今日は生きて帰れるのだろうか。)

自分の安否が心配になってきた。


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