Fortunate Link―ツキの守り手―
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「おっ」
新しく決まったバイトの帰り道。
ふと足を止め、夜空を見上げた。
「そういえば今日は皆既月食だったけか」
そこにはいつもの明るさをすっかり潜めた月が浮かんでいた。
まるで空にぶら下がる赤い提灯のような月。
歩いていると、家の前で親子が外に出て一緒に眺めている姿に出くわしたりもした。
俺もまた、ついしばし立ち止まって見入ってしまう。
「……あいつも見てるのかな…」
そうであればいいな。
なんて心のどこかで思ったりしながら、携帯を取り出して写真を撮ったりしてみる。
そしてアカツキへメールで送信。
けれども返信が返ってくることはなかった。
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