Fortunate Link―ツキの守り手―


「かと思えば、月村とも相変わらず仲良さそうだし」

「そんなんじゃねーよ」

色々言い返してやりたいが、朝から無駄なとこに労力は使いたくない。
しばらく無視していると、サトシはやれやれと言わんばかりに大仰に首を振った。

「…でも、なんだかんだでやっぱりお前と月村が一番合ってる気がするよ」

「勝手なこと言うな」

「何だ?やっぱり本命は白石さんなのか?そりゃあ白石さんも可愛いけどもだな…」

俺が席について鞄の中身を机に突っ込んでいる最中も、サトシはしゃべり続ける。
しかし、そんな声もしだいに周囲の騒音に埋没する。

ぼんやりと違和感を感じる。

何だか胸の辺りがむかむかする。
朝から腐りかけのバナナを食べ過ぎたせいか?

いや。
そういうのでもなくて。
何と言うのか…。

嫌なことが起こる前触れと言うのか。
不吉な予感が胃か腸の辺りに絡まっていると言うのか。

そういえば今日の星座占いも最下位だったしな。


窓の外を見やりながらこっそりと嘆息した。

悪いことが起こらないといいな。今日一日…。

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