Fortunate Link―ツキの守り手―
サッと食堂の扉から出ていく影が一瞬だけ目に映った。
「………」
…はて。
女子…だったような…。
「どうした?」
アカツキが訝しげに訊いてくる。
「いや、誰かに見られていた気がして…」
するとアカツキは俺が見たほうと同じ方に目をやり、
そして鼻を鳴らした。
「……自意識過剰だ」
つまらなさそうに呟く。
「男に寄り付かれている」の勘違い中のお前に言われたくない、と思った。