Fortunate Link―ツキの守り手―
…ふぅん。
強運。ああそうか。
と納得しかけて、何かが引っ掛かった。
――強運を確かめる?
確かにアカツキは傍目に見てラッキーな奴に見えるかもしれない。
でも「運の良さ」というのは普通は偶然の折り重なりだと考えるものだろう。
それを確かめるっていう行為はおかしくはないか?
…もし
そんな事をする奴がいるとすれば、
アカツキの運の良さが揺るがないものだと知っている者だけだ。
昨日俺達を襲ってきた謎の少女のように。
ということは…
俺は知らず、白石さんに詰め寄っていた。
「アイツが強運だってのは、自分で知っていたのか?
それとも誰か他の奴から聞いたのか?」
「……えっと…」
白石さんは俺の剣幕に驚いたように後じさった。
その反応を見て、はたと我に返った。
同時に「しまった」と思った。
おどかせてしまったようだ。
まだ初対面だというのに。
「ごめん」
俺はすぐさま謝り、質問を変えた。
「じゃあ、何であいつの強運を確かめてたの?」
「……それは…」
口ごもる。
そして彼女は手の中にあるサイコロの目をじっと眺め、
「どうしても…月村さんの力を貸して頂きたくて…」
「…力を貸す?」
「はい」
こくりと頷く。
「私はこう見えて勝負師をやってまして、それで生計を立ててます」