Fortunate Link―ツキの守り手―


「あっ」

白石さんが、ふとその視線を俺の体のある一点へと注ぐ。


そしておもむろに、その――胸の上にピタッと手をやった。

わさわさと撫でられる。

「うわ」

思いがけないところを触られ戸惑う。

「あーダメじゃん」

そう言いながら、白石さんはやっと手を引っ込める。

「ちゃんとアレ付けてなきゃ」

「へ?」

一体何のことを言っているのか見当がつかない。

そんな俺をじっと見ながら、白石さんは続ける。

「それで、スカートの下は何履いてるの?」

「え?……そりゃあ…いつも通り…」

すると白石さんは溜息をつきながら首を振った。

「ダメだよ、そんなのじゃあ。風が吹いてスカートがめくれたりなんかしたらどうするの?」

「…………」

リアルに想像して、ぞわわわと怖気が走った。

「顔は満点以上だけど、細かい配慮が足りてないわね」

俺の全身を舐め回すように見ながら言ってくる。


「大丈夫。そんな事もあろうかと用意しておいたんだ♪」

楽しげに言うと、俺の手をとる。

「――ちょっと来て」

ウインク一つして小悪魔な笑みを浮かべて、俺の腕を引っ張り歩き出した。

< 323 / 573 >

この作品をシェア

pagetop