Fortunate Link―ツキの守り手―
「あっ」
白石さんが、ふとその視線を俺の体のある一点へと注ぐ。
そしておもむろに、その――胸の上にピタッと手をやった。
わさわさと撫でられる。
「うわ」
思いがけないところを触られ戸惑う。
「あーダメじゃん」
そう言いながら、白石さんはやっと手を引っ込める。
「ちゃんとアレ付けてなきゃ」
「へ?」
一体何のことを言っているのか見当がつかない。
そんな俺をじっと見ながら、白石さんは続ける。
「それで、スカートの下は何履いてるの?」
「え?……そりゃあ…いつも通り…」
すると白石さんは溜息をつきながら首を振った。
「ダメだよ、そんなのじゃあ。風が吹いてスカートがめくれたりなんかしたらどうするの?」
「…………」
リアルに想像して、ぞわわわと怖気が走った。
「顔は満点以上だけど、細かい配慮が足りてないわね」
俺の全身を舐め回すように見ながら言ってくる。
「大丈夫。そんな事もあろうかと用意しておいたんだ♪」
楽しげに言うと、俺の手をとる。
「――ちょっと来て」
ウインク一つして小悪魔な笑みを浮かべて、俺の腕を引っ張り歩き出した。