Fortunate Link―ツキの守り手―
第13話:問われるココロ
活気と鉄板の熱さと匂いを溢れさせ、立ち並ぶ模擬店。
香ばしいソースの薫りが何とも食欲をそそる。
熱々焼きたてのはしまきと焼きソバとタコ焼きを、中庭のベンチに腰を下ろして食べた。
「はぁーっ」
背伸びをして立ち上がった。
ようやく腹八分目ぐらいになって落ち着いた感じだ。
「次はどこへ行くか?」
フォックスハントの紙を見つつ尋ねる。
すでに2つの場所を制覇した。
「2年B組のカキ氷屋はどうだ?」
「…スペシャルカキ氷を5分以内に食えっていうやつ?」
「あぁ。制限時間内に食べれたらタダらしいけど、食えなかったら法外な値段を請求されるらしいな」
タチの悪い店らしい。
それでも俺は余裕綽々に答えた。
「…はん。5分もありゃぁちょろいって」
スペシャルでも何でも来いってんだ。
そんな軽いノリというか気持ちで噂の2年B組へと向かった。
入り口には『世界で2番目に美味しいカキ氷屋さん』の立て看板。
謙虚なんだか威張ってんだかよく分からないネーミングだ。
「いらっしゃいませ」
まず、その出てきた子達を見て仰天した。
何と何との水着姿の女の子がお出迎え。
いいのかこれ。色々とマズイ気がするんだが。
何がマズイって目のやり場に困る。
「2名様でございますね」
「はい」
「カップルさまでいらっしゃいますね」
「はい……って、ええっ?!!」
そのまま流れでスルーしそうになって、すんでで慌てた。
「何言って…」
「おめでとうございまーす!!」
パパパパ――ッン!!とクラッカーの弾ける音。
目の前で紙吹雪とリボンが舞う。
そのさまを呆然と見つめる俺。
「本日7組目のカップル様のご来店ッ!!」
おぉっ!と拍手とともに、店内が湧く。
こちらは全然ついていけてない。
もう何が何だか状況がさっぱり……。
「という訳で、特別メニューのデラックスカキ氷が入りま――す!!」
ワンピースっぽい水着姿の女の子が高らかとそう叫んだ。