Fortunate Link―ツキの守り手―

「ふふふ。
小さな頃はよくこれを使って遊んだわよね?」

「…やめて。
姉さんの顔して、そんなこと言わないで」

「あなたと別れるとき、あなたにこれを渡して、大切な約束をした」

「やめて!」

星羅は拒絶するように叫んだ。

「いつか戻ってきて、と言ったのに。
あなたは帰ってこなかった」

雅は星羅に近づき、じっと目を凝視する。

「私だけが、巫女としての重責を負い、そして様々なことに巻き込まれ…死んだ。
その間にあなたは違う家で養女として普通の暮らしを手に入れていた」

「…ねえ…さん…」

宙を見てうわごとのように呟く星羅の手を、雅が掴んだ。


「――あなたの心、掴まえた」


呟き、にっと笑う。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」

星羅はその目に涙をため、謝り続けていた。

「いいのよ」

雅はその頭を優しく撫でた。

「あなたはもう、私の言葉に逆らえない」

嬉々として、星羅の耳元に顔を寄せ、呟いた。

星羅の手から滑り落ちた赤いサイコロが、妖しい光を放ちながらコロコロと地面に転がった。


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