Fortunate Link―ツキの守り手―
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最近、夜遅くまでバイトをしているせいか、寝付きが抜群に良い。
仕事して帰ってきて、そしていつの間にやら、行き倒れのように床にバタリと引っくり返って寝ていることがしばしば。
次に気づけば…もう朝。
まだ日が昇ったばかりだというのに、うっすら汗ばむぐらいに気温が上昇してきていた。
カーテンを開けつつ、染むほどの朝日の
眩さに目を眇める。
そういえば梅雨はもう明けたんだっけ。
といっても、ここ最近晴れてた日ばかりだったするけど。
いつ梅雨が始まって、いつ終わったんだか、さっぱり分からない。季節感というものに疎くなってしまったのかな。
テレビの電源を入れる。
これは毎朝の習慣。
肩をこきこき鳴らしながら、キッチンの方へ行く。
何となく体がだるい。よく眠った気がしないな。
水をごくごく一杯飲み干す。と。
「………ん?」
ほんの何気なく、テーブルの脇の、椅子に目がいった。
その椅子の上に乗っかっている黒のバッグ。
アカツキの…。
そう気づいた矢先、トイレの水の流れる音が聞こえた。
奴め。またいつの間にか勝手にあがりおったな。
もはや驚かない俺は、アカツキの鞄の開いた口から、雑誌の角が突き出ているのが気になった。
「……何だ」
なんとなく興味が湧いて、ひょいとそれを掴んで見てみた。
「……へぇ」
思わず感嘆の声が漏れる。
意外にもそれはファッション雑誌だった。