Fortunate Link―ツキの守り手―
近づき、その顔を覗き込む。
間違いなかった。
捜し求めてた顔がそこにあった。
ふっと心の張り詰めていた線が緩む。
とてもとてつもなく懐かしい気持ちになった。
もう何日も何ヵ月も…ずっと会ってなかったみたいに。
胸の奥のほうから熱いものが込み上げ、目蓋の裏まで熱くなる。
泣きそうになっていた。
慌てて頭を振って、こらえる。
こんな顔をアカツキに見られるわけにはいかない。
ぐったりと倒れている、その体を抱き起こした。
「おい、アカツキ」
呼び掛ける。
が、目蓋は固く閉ざされたまま反応は返ってこない。
感慨に耽ったのもつかぬ間、再び不安が押し寄せてきた。
怪我をしていないのを確かめてから、その体を揺さぶる。
「アカツキ。起きろ」
何度も揺さぶり、呼び掛ける。
でも一向に起きない。
心配になり、口元に耳を近づける。
規則正しく息をしていた。
意識が無いだけらしい。
(……良かった…)
虚脱しそうなほどに力が抜け、安堵した。
その体を抱いたまま、首を巡らし辺りを見回す。
どうやってこの場所から抜け出せばいいのだろうか。
出口らしきものは全く見当たらない。
だけどこのままこの場にとどまりつづける訳にはいかない。
「……どうすりゃいいんだ…」
途方にくれ、滞る空気に呟く。
閉じ込められているような閉塞感が胸を締め付け、息苦しささえ感じる。
(もしかしてずっとここに…)
そんな悪い予感が掠めたが、しかしすぐに振り払った。
「んなこと、考えている場合じゃねぇや」
アカツキを肩に担いで、立ち上がる。
片手だけではうまく持てず、よろめいた。
あちこちの傷が一斉に痛みを訴えかけたが、構わなかった。
全てをこらえながら、歩き出す。
――その時、だった。