Fortunate Link―ツキの守り手―




午前中はプールサイドでまったり過ごし、
お昼は無駄に広く無駄に豪華なレストランでランチを済ませ、
お店の立ち並ぶ船内をぶらぶら歩いていた午後の昼下がり。


「もう少ししたらパーティーの時間ね」


白石さんは腕時計を確認し、そう言った。


「随分早い時間から始めるんだな」


「そりゃ、もう夜には港に帰って来ちゃうからね」


答える白石さんにアカツキは訊ねた。


「で、そのパーティーとやらはどこであるんだ?」


「5階のレセプションホールであるわ。……って」


言葉を切り、アカツキの方を見やり、


「まさかその格好のまま、出るんじゃないでしょうね?」


スキニーパンツにTシャツという超ラフな出で立ちのアカツキをまじまじ眺め、白石さんは問うた。


「…え?駄目なのか?」


「――駄目に決まってんでしょう!」


きょとんと問い返すアカツキに、白石さんは力いっぱい否定した。

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