Fortunate Link―ツキの守り手―
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クロークに荷物を預け、白石さんに案内されるがままにやってきたのは、大きな木製の扉の前。
「さぁ、ここがパーティー会場よ」
扉の両脇に控えていた黒スーツの男二人がドアノブに手を掛け、扉を開けた。
眩い光が広がる。
扉の向こうに広がる世界は、想像していた以上に煌びやかな世界だった。
豪華絢爛なシャンデリアの灯りの下では、ゴージャスな衣装に身を包んだ貴婦人達が優雅に団欒してたり。
ステージの上ではクラシックの生演奏がされてたり。
白いテーブルの上には見たことも無い色とりどりな料理がずらりと並んでいたり。
「ほぁー」
明らかに身分違いな場所に足を踏み入れてしまったようだ。
ホールは3層構造になっており、真ん中の吹き抜けの一番下のここがメイン会場のようだった。
「お父様」
白石さんが入り口付近に立っていた男性に声をかけた。
相手も気付き、俺達の方へ近づいてくる。
「星羅」
上等そうなグレーのスーツを体の一部のように着こなした恰幅のよい中年の男の人だった。