水の国の王子様は従者を溺愛中!
「まさか今日もベッドで寝られるとは思わなかったね」
「うん…今日はベッド狭いし流石に私は床にブランケット敷いて寝るね」
「え?あぁ……そうか…何だか一緒に寝る事が当たり前だと思ってしまったな」
「普通男女で…しかも一般人と王族の方は一緒に寝ないよ!?」
すると、カイ様はベッドの壁側に寄って横になった。
「くっ付けば二人で寝られない事ないよ?おいで」
カイ様はベッドの空いてる空間をトントンと手で叩く。
「今の話の流れでどうしてそうなるの?」
もうこのやり取り3晩目だけど、日に日に寝る距離が近くなっていってる気がする…
「ライマーレにいる間は俺達夫婦だろ?」
「“ふり”だよ…?」
「そうか…」
カイ様はわかりやすいくらいにシュンとした顔をする。
もう………絶対私が断らないの分かっててやってる!シュンとしてるカイ様可愛い…!
きっと私の体調も気遣って床に寝させない為に一緒に寝てくれるんだよね…。
私は黙ってカイ様の隣りに入って出来るだけカイ様のスペースが多くなるようにベッドのギリギリに横になる。
すると、私の腰を抱き寄せる。
「そんなギリギリにいたら落ちちゃうよ?」
「だって…狭いから…」
「ははッ…思った以上に近かったね」
カイ様はギュッと私を抱き締めた。
「…カイ様?」
「今日一緒に来てくれてありがとう」
「え?え?私……具合悪くなっちゃうし一緒に来て足でまといで…迷惑掛けちゃって…お礼言われる要素何もないよ…?」
体調戻ってからやっと考えられる様になってから気付いたけど…カイ様に嘔吐してしまったところ見せてしまったし…もうお嫁にいけない…
「リディアがいなかったら屋敷での光景に耐えられなかったよ…変な言い方になるけどリディアの事心配してたおかげで正気を保ってられたんだ。城でもさ。みんな自分の目の前で殺されて…絶望して、もう生きる気力もなくなってた。城でもここでもリディアがいなかったら俺耐えきれなくて自害してたと思う…」
「駄目っ…カイ様が死んだら私耐えられないよ!私…カイ様に生きていて欲しい…」
「ふ……リディアは俺のファンだもんな……ありがとう…」
カイ様の顔を見ると目が合って目が離せない…
カイ様の唇が近付く。
恋愛経験ない私でもどういう事なのかわかる…
カイ様からのキスを拒めるわけがない。
私は目をギュッと閉じる。
すると、カイ様は私の頬にキスをした。
「……ごめ……夫婦のふりって事忘れるところだった……リディアも簡単に受け入れたら駄目だよ…男につけいられるよ」
カイ様は真っ赤な顔をして顔を押さえた。