betrayal~元彼御曹司との不倫~
「やっぱり、そうだったんだ。
中村部長が居るから、もう俺の事がいらないから」

零斗の目には涙が貯まっていて、この人を傷つけているのだと思う。
今思うと、この前の中村春馬の歓迎会の時だって、私と中村春馬の昔の事を零斗は知っているから、探るように私に中村春馬の話題を振って来たのかと、なんだ複雑な気持ちになる。

「そうじゃないよ。
零斗と別れようと思ったのは、三浦さんと浮気したから。
中村部長との関係は、零斗が思っている通りだけど」

中村春馬との事は否定はしないけど、そもそも別れのきっかけはその事。

「…俺、とわちゃんと中村部長の事で不安になってて…。
酔ってて三浦さんと…。
でも、三浦さんには俺はとわちゃんが本当に好きだからって、謝った。
でも、それでもとわちゃんが浮気した俺を許せないのは仕方ない。
だから、一度全部ちゃんととわちゃんと話して、それでも別れたいって言われたら、それを受け入れようって思ってだけど。
納得出来ない」

「零斗…」

「とわちゃんと中村部長との事を知って、俺はこのまま大人しく別れるとか納得出来ない!」

そう言うと、零斗は涙の浮かぶその目を細め私と中村春馬を睨みつけて来る。

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